ビールを飲ませることで格段の肉質に!?

松坂牛の地元生産者は、但馬牛の他に、全国各地から優秀な子牛を買い入れ、それぞれの肥育農家で、3年ほど丹精込めて育てます。

肥育は個々の牛舎で、厳選した穀物類を独自の配合比率をもとにブレンドして与え、注意深く丹精込めて育てるといいます。

放牧などを行なうことはないとされています。

また肉身に柔らかさが出るなどの理由から、牛にビールをのませることもあるそうです。

このビールをのませる理由は、肥育期の末期になると牛の摂食量が落ちて十分な体重が確保できなくなる現象を抑えるためともされています。

胃の中の発酵状態をビールによって改善させることで、食欲を取り戻すことができるのだそうです。

松坂牛は、「東京芝浦市場松阪牛共進会」によって、毎年厳しい審査の末に、育てた牛の等級が決定されますが、肥育期の最終段階で食欲を増進させることは、より肉付きを良くし、出品した牛の等級をあげることに直結します。

いわゆる肥育3年間の集大成がこの時期にあるわけで、地元生産者の人々がもっとも神経を使う時期ともいわれています。

ビールをのませる肥育法が広まったのは、飼育農家のある体験からだといいます。

いつものように協議会に牛を出品したところ、ビールをのませたその牛の松坂牛は、飲ませなかった牛にくらべて肉質が格段に良く、市場においても破格の値段で取引されていることがわかったそうです。

そうしたことがあって松阪ではその噂が広まり、次々にビールを取り入れる飼育農家が増えていったといいます。

現在ではビールをのませる肥育法というのが松坂牛の常識となっているようです。